かつて、人間が機械仕掛けの天使をつくり、従えていた時代があった。
機械の天使は従順であったが、人間の限度を知らぬ欲望の前にやがて異常をきたし 暴走を始めたという。
1000年の後、知り合いから事件を記したとされる『天使の叛乱』と題した書物の写しと「キカイテンシ」の姿を記録したホログラフのコピーを渡されたアーベントは 誰にも行く先を告げずに忽然と姿を消した――
5年の歳月をかけ、アーベントはようやく有力な天使の手掛かりのありそうな遺跡に辿り着いた。
が、しかし――
そこで見つけたのは手がかりどころか、なんと機械仕掛けの天使本体であった。
目覚めた天使(ラミエル)を連れて街へ出たアーベントは、生まれて初めて目にする世界にはしゃぐラミエルに心惹かれてゆくのであった。
だが、そこで事件は起きた。
ラミエルの回収を目論むもう一人の天使の登場に始まり、かつての恋人であり「キカイテンシ」の情報をもたらした男、ライアンとの予期せぬ再会。
さらには1000年前、暴走した天使を破壊するために生み出された機械兵士までもが目覚めてしまい、ラミエルを付け狙いはじめたのであった。